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特集記事

相続対策:会社を継いでもらいたい

会社を経営されている方は、個人財産と会社の財産(株式)も所有されています。

会社経営に並々ならぬ努力をされ、とても良い企業に育てあげられた方もたくさんいらっしゃいます。

その場合、当初ご自身が出資されたときよりも株式の価値がかなり上がっています。

この株式の価値が相続にとっては頭の痛い問題になってしまいます。

上場企業の株式なら株式の価額が毎日わかるのですが、中小企業のように上場していない会社の株式の価額は簡単にはわかりません。

価額算定はとても複雑なので今回は説明しませんが、不動産と同じで経営している会社の株式も簡単に売却できるものではありません。

売却すると経営権がなくなりますし、買い手が簡単に見つかるものでもありません。

株価が高いと相続財産の総額が増え、相続税も高くなります。

納税は通常現金なので、相続する財産に占める株式の割合が高いと納税資金に困る可能性もあります。

会社を継いでもらいたいけれど、継ぐ人にとっては納税というのは高いハードルになってしまうのです。

また問題は納税だけではありません。

会社を継ぐ方の財産(価値)の割合が、他の相続人よりも多くなる可能性もあります。

極端な例を示すと会社の株式だけが相続財産であった場合

株式は1株だけということはないので、相続人が数人いるのならその人数で分けることも可能です。

ですが、その株式を数人で相続することは会社経営するうえではあまりお勧めできません。

子1と子2が2分の1ずつ相続したとします。

会社の重要なことを決めるときに意見が合わなかった場合には同じ数を持っているとまとまりません。

子1と子2にはそれぞれ配偶者や子がいると、それぞれの株式は次の相続で更に分かれてしまいます。

これらのことから株式を相続してもらうのは、実際に会社を継いでくれる方にするほうがいいのです。

ですが一人がすべて相続してしまうと、他の相続人の権利を侵害してしまいます。

侵害された相続人は遺留分を主張することが可能です。

では、どうすればいいのでしょうか?

◇納税資金については

・『非上場株式に係る納税猶予』 の制度があります。

 いくつかの要件がありますが、自社株式に係る80%の納税が猶予されます。

 この納税猶予の制度は、相続税と贈与税にもあります。

 要件に当てはまるように準備することが大事になってきます。

・株式をその会社に買い取ってもらう方法もあります。

 第三者等に売却すると経営ができなくなりますが、一部の株式を発行しているその会社自体に買い取ってもらえばその代金を納税資金として利用できます。

 この売却時の譲渡益課税が通常の場合よりも軽減されます。

 これは、相続税の申告期限から3年以内に売却した場合に適用されます。

◇遺留分侵害については

「遺留分に関する民法の特例」というものがあります。

①遺留分算定基礎財産から除外(除外合意)

②遺留分算定基礎財産に算入する価額を合意時の時価(※)に固定(固定合意)

①または②、両方を組み合わせることも可能です。

とはいえ、いろいろ難しいですね。

ご自身と家族のためにも早めに現状把握をしどのような問題が想定されるのか、その問題をどう解消していけばいいのかを専門家と一緒になって考える必要があります。


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