贈与のすすめ
前回も書きましたが、贈与税は相続税を補完するための税金です。
相続税だけの場合だと、生前にすべて贈与してしまえば相続税を払わなくてよくなるからです。
だからといって贈与することが損になるわえでもありません。
もちろん贈与税を多額に払ってまでの相続対策はだめですが、計画的に贈与をすればとても節税になります。
まず、税率を見てください。
贈与税の速算表は暦年課税贈与の場合です。

相続でも贈与でも最高税率は同じ55%ですが、それぞれの税率を掛ける財産の価格が違います。
同じ税率でも贈与税の方が低い価格ですね。
それなら贈与をすると損じゃないか?と思われるかもしれませんが、贈与は一年(暦年)単位で計算します。
相続のように一時に全部の財産を取得するということではありません。
仮に、贈与税の基礎控除額である110万円を毎年に渡って贈与したとします。
10年間で1,100万円を贈与することができます。
何もしないで、財産を保有し続けると1,100万円が相続税の対象になるわけです。
同じように考えると、何もしないで相続税の税率が50%だったとします。
毎年贈与税率が10%の範囲で贈与をし続けた場合で仮に相続税率は50%のままだったとしても、相続税の税率と贈与税の税率の差が節税になります。
このような暦年課税贈与はこつこつと長い時間をかけて計画的にすることができます。
相続対策はまだ早いと思っていると時間はあっという間に過ぎていきます。
是非時間を味方につけて、相続についての不安を安心に替えてみませんか?
相続対策にはその他の財産等も関係してきますので、是非相続に詳しい税理士にご相談ください。
また、政府が推奨している贈与がありますよね。
教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税
結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税
贈与をしても、贈与税も非課税ですし、相続開始前3年以内の贈与であっても相続税の計算に含めなくていいのでかなりな節税になります。
この他にも、
住宅取得資金の贈与の特例
贈与税の配偶者控除
この二つも同様に贈与税もかからず相続税の計算にも含めなくてよいものです。
いずれの場合も、一定の要件がありますので、利用される際は要件に当てはまっているかを十分にご確認ください。