土地の評価 会社へ貸している場合
相続や贈与といった場合に、土地は評価をしなければなりません。
でも評価も一筋縄ではいかないんですよね。
国税庁が発表している路線価で評価する場合でも
形状や大きさ等も考慮が必要です。
そして、評価した価格からまだ考慮をしないといけないのが、貸付の有無です。
その土地を貸しているのでしたら、貸地となります。
その土地の上に建物を建てて貸しているのでしたら、その土地は貸家建付け地となります。
これらの土地は、借地人の権利が発生しているので売却や自分が使うといったことに制限がありますから
その借地人の権利部分(借地権)を自用の土地として評価した価格から引くことになります。
貸しているといっても、無償で貸している場合は借地人の権利はないものとなります。
無償での貸し出しを「使用貸借」といいます。
つまりその土地は自用地価格のままです。
また、少額の賃料、例えば固定資産税だけ負担してもらうなどの場合も無償と同様とみなされます。
同族会社(株主が親族で大半を占めている)への貸付けも同じです。
ちゃんとした賃料を取っているのでしたら借地権を控除した金額が土地の評価になります。
同族会社への貸し付けで多いのは以下のような例です。
土地・・・オーナー所有
建物・・・オーナー所有の土地の上に会社所有の建物あり
このような状態は、オーナーにとっては自分の土地に会社の建物があるので土地を自由に使うことができません。
つまり会社は土地を使い続ける権利があるので借地権が発生します。
この借地権を会社はオーナーに支払をしなければ、その借地権相当の利益を会社がオーナーから受けたということになり法人税の課税対象になってしまいます。
でも考えてみてください。
オーナーと会社は一体のようなものですよね。
もちろん、個人と法人として人格も別なんですけど。
それなのに税金が課せられるのは辛すぎます。
そういう場合には、「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に提出することで借地権課税がされないんです。
では、この「土地の無償返還に関する届出書」を提出している土地を贈与してもうらう場合の評価、相続のときの評価は?というと。
自用地として評価した価格の20%を借地権部分として控除することになります。
ただし、「土地の無償返還に関する届出書」は借地権部分のお話しなので、地代の支払が行われないのでしたら「使用貸借」となりますので、自用地評価となります。
土地の価格は高額になる場合が多いので20%の評価額がかわると贈与税額や相続税額への影響も大きいです。
同族会社に貸し付けている土地の評価額を計算される際には、「土地の無償返還に関する届出書」が提出されているのか?賃料は妥当か?を確認してくださいね。