№.4402贈与税がかかる場合について
- 税理士 松井千春
- 2017年1月24日
- 読了時間: 4分
国税庁HPにあるタックスアンサーについて、大きなお世話かもしれませんが解説も入れてもっとわかりやすく書いてみようと思います。
まずは贈与税からにしました。
国税庁HPホームの左バナー「タックスアンサー(よくある税の質問)」から贈与税→贈与と税金と開けていくと
№4402~4512まで23の項目が並んでいます。
この中の「№4402贈与税がかかる場合」です。黒字は国税庁HPからの抜粋です。
贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。
財産をくださる方も人からということになります。
会社など法人から財産をもらったときは贈与税はかかりませんが、所得税がかかります。
法人から財産をもらったら「一時所得」に該当します。もらった財産が50万円以上のものなら所得税がかかるかもしれません。
また、自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合、あるいは債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかります。
みなし贈与といわれるものなのですが、実態を考えると財産をもらったのと同じ効果があるものが贈与とみなされます。
ただし、死亡した人が自分を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合は、贈与税でなく相続税の対象となります。
相続にも相続とみなされるものがあります。死亡保険金の受け取りもこれに該当します。
贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができます。
1 暦年課税
贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません(この場合、贈与税の申告は不要です。)。
財産をもらった人がAさんで、Bさんから50万円、Cさんから30万円、Dさんから40万円を同じ年に貰ったら、Aさんが一年間に贈与してもらった額が120万円で基礎控除額の110万円をオーバーするので贈与税がかかります。
財産をくださる人ごとではなく、財産を貰う人ごとに110万円の基礎控除額がありますので注意してください。
2 相続時精算課税
「相続時精算課税」を選択した贈与者ごとにその年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から2,500万円の特別控除額を控除した残額に対して贈与税がかかります。 なお、この特別控除額は贈与税の期限内申告書を提出する場合のみ控除することができます。 また、前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額がその年の特別控除限度額となります。
暦年課税贈与と違い相続時精算課税贈与の特別控除は贈与をしてくれる人ごとです。また一年に2,500万円ではなく、相続時精算課税を選択後の贈与の累計で2,500万円までは贈与税がかからないというものです。
一度相続時精算課税制度の適用を受けると、同じひとからの贈与は贈与税がゼロでも必ず申告をしなければなりません。
父からの2,500万円の贈与は相続時精算課税を選択し、同じ年に母から110万円の贈与があった場合で、母からの贈与は相続時精算課税を選択していない場合は、母からの贈与は暦年課税贈与ですので、基礎控除以下になりますから贈与税はゼロになります。
相続時精算課税は一気に2,500万円贈与してもらっても贈与税はかかりませんが、その贈与をしてくれた人が亡くなると相続時精算課税を選択した贈与財産のすべてが相続税の計算上相続財産として計上しなければなりません。
相続税の計算に含める財産の価額は贈与時の価額となります。
3 申告と納税
贈与税がかかる場合及び相続時精算課税を適用する場合には、財産をもらった人が申告と納税をする必要があります。申告と納税は、財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間に行ってください。 なお、相続時精算課税を適用する場合には、納税額がないときであっても財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間に申告する必要があります。 税金は金銭で一度に納めるのが原則ですが、贈与税については、特別な納税方法として延納制度があります。 延納は何年かに分けて納めるものです。 この延納を希望する方は、申告書の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。
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